アーティストと商売

allusion2005-09-06

昨日はNHK-BS2で9時間半もガンダムをやっていました。イキと言うのか無謀と言うのか最近のNHKはやってくれますね〜。全部録画しましたよ。(笑)
そんな中で、作者である富野由悠季氏のロングインタビューというものがありました。我々ミュージシャンもそうですが、クリエイター側と企業側のハザマと言うものはアニメ業界でもあるようでして、特にガンダムは当時センセーショナルと言われたぐらいの斬新なアニメですから、企業側の希望とクリエイター側のハザマは大変なものだったようで。
「なんでロボットが合体しないんだ」と企業から言われ、無理やり毎回無意味に合体シーンを見せたGアーマーなど有名なエピソードも多いですが、今回はさらに色々な溝について知りました。
アムロ・レイ」という主人公の名前については、富野氏は1週間悩見抜いて考えたのに、提出と同時に「強そうじゃない」と一蹴されボツにされそうだったとか。逆に主人公とタイトル以外は何のチェックもされず、絵コンテすら見てもらえない。嫌味であえて変な名前をつけたのがマ・クベ、シャアは「シャーっと来るからシャア」と本人もヒドイと言うぐらいの適当っぷり。それでもまったくノーチェックだったので通ってしまったそうです。
要するに、企業としてはメガデザインや主人公の名前は重要であるが、その他はどうでもよいということだったらしいです。富野氏はそんなサラリーマン気質が大嫌いだとか。(笑)
ちなみにアーティストにすべてを任すと、万人が理解できない俗に言う『売れないもの』が出てくるという理論も良くわかります。そのために企業側が舵取りをするというのは正しいと思います。
理想はアーティストの意向が充分に反映されつつ売れてしまうというところでしょうが、まぁ、難しいところですよね。
ただ、富野氏はそれを狙っているようでして「ガンダムをもっと一般的にしなくてはいけない」と語っていました。社会現象とまで言われたのだから充分なのでは?と言われても「それは間違いで一部のファンのみ。最低でも今のスターウォーズぐらいは必要。ファンには助けてもらっているが、ファンに受けるのは当たり前」と豪語していました。
ファン以外をターゲットに。さすがそのような観点を持っていないと先には勧めますまい。
今始まっているバンドもそれを目標にしたいと思っていたところなので、ちょうど観点が重なった感覚を得ました。そろそろ私もニュータイプ覚醒だな。